歯に負担をかけず噛む感覚を取り戻す
インプラントは歯を失った部分の顎の骨に穴を掘って、チタンあるいはチタン合金などでできている人工歯根を埋め込む治療方法です。
あごの骨で支えるので自分自身の歯のような使用感がありますし、固いものでもしっかりと噛めます。ブリッジのように周囲の歯を削ることはありませんし、部分入れ歯のようにほかの歯で支える必要もありません。また、人工歯根の上につくる上部構造(歯の部分)についてはジルコニアというセラミックで作製しますので、仕上がりも非常に美しいことを特徴としています。
インプラント治療について
インプラント治療の特徴の1つに、入れ歯やブリッジには存在しない「歯根」を維持できるという特徴があります。生体親和性が高いチタン合金を人工歯根として埋め込むので、固いものでもしっかり噛むことができます。また、ブリッジのように隣の歯を削ることはありませんし、部分入れ歯のようにほかの歯で支える必要もありません。そのため、周囲の歯に負担をかけないこともインプラント治療の大きな利点です。
- 治療期間 最短2か月~6か月程
- 治療回数 4回以上
Merit(メリット)
- 人工歯根によりしっかりと噛めるようになります
- 周囲の歯を削る必要がまったくありません
- 骨に人工歯根を埋入し固定するため嚙み合わせが安定します
- 噛む力の衰えを防ぎます
Demerit(デメリット)
- 自費診療のため、保険の治療に比べると費用がかかります
- 外科手術が必要になるため、全身状態によっては身体に負担をかけることになります。
- 術後に痛み・腫れ・出血・合併症を伴う可能性があります
- 術後も定期的なメンテナンスが必要となります(ご自身の歯と同様です)。
当院がインプラントをすすめる理由
当院では、「歯の保存」に誠心誠意努めていきたいと思っております。しかし、それでも保存が難しい場合が残念ながら存在します。歯を支える骨を全て失ってしまうような歯周病の歯や、根の先のほうまで縦に割れてしまった歯や、歯の根っこを超えて虫歯が広がっている場合などが、それにあたります。上記の理由で、どうしても歯を残せなかった場合、患者様のお口の中の条件に見合っていれば、インプラント治療をお勧めしております。
理由は一つ。
他の歯の切削がないという特徴は、1番歯の保存に適していると考えるからです。
3つの治療を行う前段階を比較
これは欠損補綴を行う前と行なった後のイラストになりますが、これらはその前の準備の治療があります。これらの画像を見比べると、インプラント以外の選択肢は少なからず隣の歯を削らないといけないことが分かります。当院では患者様の歯の保存にこだわっているがゆえ、両隣の歯を「一切削る必要がない」インプラント治療をおすすめしております。
治療を繰り返すごとに歯は失われていく
こちらに歯の一生の図を載せておりますが、歯を削ることは少なからず歯にダメージを与えることになりますので、歯の一生のサイクルの駒をひとつ先に進めることになります。
勿論歯を失ったまま放置することのデメリットは大きいですし、しっかりケアすることで歯の一生のサイクルを手前の方で安定させることも可能ですから、義歯やブリッジによって歯を削ることが悪いわけではありません。
しかしながら、もしインプラントという選択肢が可能であれば、歯に全くダメージを与えず、サイクルの1歩目を踏まないで済むため、歯の一生をより長持ちさせることにつながると考えております。
他にも、以前に歯を失ってしまっていて、そこに入れ歯やブリッジをいれたが
・入れ歯で前のようにはものが噛めない
・ブリッジのつながっている部分に汚れがたまる
などのお悩みにもインプラント治療は対応しています。
当院が提供するインプラント治療
骨が無い・薄い場合の難症例にも対応しています
インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込むことで高い機能を発揮します。そのため、歯周病などで顎の骨が減っている場合、そのままではインプラント治療ができない症例も存在します。
よくあるご相談は、「前歯はインプラントができないと言われた」や「上の奥歯はインプラントができないと言われた」などです。
当院はそんな症例にも対応できるように、「骨造成」という骨を補う治療も行っています。そのため、「骨が少ないことで、他院でインプラント治療を断られた」という方も、あきらめずにご相談ください。
サイナスリフト
上顎には「上顎洞」という空洞があるため、インプラントの埋入が難しいケースがあります。サイナスリフトはそんな時の対処方法のひとつです。まず歯の横側から上顎洞に向かって切れ目を作り、上顎洞の付近にある膜を持ち上げて骨を造成します。造成した骨がご自身の身体と馴染むまでに半年程度かかりますし、治療直後には腫れが出ることもありますが、歴史が長く信頼性が高い術式です。
ソケットリフト
サイナスリフトを適応する症例より、上顎洞までの骨幅が薄い例で使用します。インプラント体を埋入する際に、一緒に骨補填剤か移植骨を埋め込み、治癒期間を置いて骨とインプラントが結合したら人工歯を装着します。適応症例はサイナスリフトより限られますが、現在、術式が改善されどんどん適応症例が増えています。腫れが少なく、治療期間が短いという利点のある術式です。
オールオンフォー
オールオンフォーは、インプラントで入れ歯を支えるようなイメージの治療方法です。すべての歯を失ったときでも、片顎最低4本のインプラントを埋め込むことで対応可能です。あごの骨の力がしっかり伝わるので、天然歯に近い噛み心地で食事ができます。また、歯ぐきに吸着させる入れ歯のようにずれる違和感がありません。
GBR法
GBR法は「インプラントを入れたいけど顎の骨が歯周病などで痩せてしまって足りない」というときの対応策のひとつです。
骨を再生したい場所に骨補填材を入れ、メンブレンという人工膜で覆うことで周囲の歯肉が入り込むことを防ぎます。骨が再生するまでに数ヶ月間待つ必要がありますが、この方法を適用すれば、骨が少ない場合でもインプラント治療を受けることができます。GBR法は骨再生誘導法と呼ばれることもあります。
抜歯即時埋入法
抜歯することになった歯を抜くと同時に、インプラントを埋め込む治療方法です。
一般的なインプラント治療では、人工歯根が顎の骨に定着するまで数ヶ月の期間を置きますが、この方法なら治療期間を短縮することができます。また、歯肉の切開が不要なので、身体的負担が少なく、仕上がりも美しい利点があります。
即時荷重
即時荷重法ではインプラントを埋め込んだ当日にアバットメント(人工歯根と人工歯をつなぐ中間部品)や人工歯を装着するので、柔らかいものならその日のうちに噛むことができます。
即時荷重を適応するには、あごの骨の量や硬さが十分であることなどの条件を満たす必要がありますから、適応できない症例も存在します。それでも、他の方法では数ヶ月かかるインプラント治療の期間を、劇的に短縮できることは大きなメリットです。
当院のインプラント治療の特徴
体への負担の少ないガイデッドサージェリー
「ガイデッドサージェリー」は、インプラントの埋入時に使う物理的ガイド器具です。
インプラントの埋入では、位置や角度、深さを精密に制御する必要があります。少しでもズレがあると、周囲の血管や神経に傷をつけるリスクがありますし、インプラントの機能も十分に発揮できないからです。ガイデッドサージェリーは検査や検討で使用した3Dデータから作るので、高い信頼性があります。使用する際は以下のような流れで治療を進めます。
- CTによる検査CTでお口の中の3Dデータを取得し、骨の幅や深さ、密度などを測定します。また、周辺の血管なども把握します。
- シミュレーション・診断その3Dデータを使ってコンピュータ上でシミュレーションを行い、インプラントを埋め込む計画を立てます。
- サージカルガイド作製検査・検討で使用したデータから、物理的な器具としてサージカルガイドを作製します。
- ガイドを用いた手術サージカルガイドを使用して手術を行います。事前に位置や角度が制限されるので治療のリスクを低減できます。
※以下インプラントの1次手術後と同様の流れになりますが、より安全で精密な仕上がりになります。
麻酔科医との連携(静脈内鎮静法)
インプラントの手術において、当院は局所麻酔と静脈内鎮静法を併用しています。静脈内鎮静法を使うと恐怖感を抑えることができるので血圧の変化が起こりにくく、出血も低減できます。これらの処置を、安全を確保しながら円滑に実施するために、麻酔科医との連携は欠かすことができません。
インプラント治療の流れ
Step01 カウンセリング
まずカウンセリングを行い、患者様のご要望を把握するとともに、不安や疑問の解消にも努めます。
手術に対する不安や、治療期間の心配など何でも気軽にお話しください。
必要があれば患者様の模型等を作製し、よりわかりやすいご説明を心がけております。
Step02 検査
歯科用CTでお口の中を立体的に把握し、3Dデータを見ながら状況を把握します。骨の量や周辺の血管、神経の位置を把握することで、治療のリスクを洗い出せるのでCTは不可欠な設備です。
Step03 治療計画の説明
診断結果とそれを踏まえて作った治療計画を、わかりやすく説明します。インプラントの治療期間や回数は症例によってそれぞれ異なるので、一般的なものと思わずしっかり確認してください。
Step04 インプラント手術(一次手術)
作製した治療計画に沿って実際の治療を始めます。
「手術」という言葉で緊張される方も多いですが、リスク管理や麻酔の処置は適切に行いますので、できるだけ気軽にお越しください。よくするご説明は「横を向いている親知らず抜くより簡単ですのでご安心ください」です。
2回に分けて手術する場合、一次手術ではまず歯肉を切開し、顎の骨に穴をあけた後に、インプラント体を埋め込むことが大きな目標です。
Step05 治癒期間
インプラントを埋め込んだ後は、骨に結合するまで期間を置きます。症例によって異なりますが、2~3ヶ月程度が目安です。この期間中仮歯を装着できる例もあるのでその際はご案内いたします。
当院で使用しているインプラントは、骨との結合が早い表面をしているインプラントを使用しておりますので、早いと6週間で次のステップに進んでいきます。なるべく早く、歯が入って噛めるようにすることを目標としております。
Step06 インプラント手術(二次手術)
二次手術では、まず再び歯肉を切開してインプラント体の上部を露出させます。その露出部分に、インプラント体と人工歯をつなぐ中間部品であるアバットメントの装着を行います。これらの処置が終わったら再び期間を置いて歯肉の治癒を待ちます。治癒までの目安は症例によりますが、1~2週間程度です。当院ではなるべくこの二次手術を行わないように一次手術の予定を組んでおりますので、8割以上の方が当院では二次手術を行っておりません。
Step07 型取り~人工歯を作製
歯肉が治癒したら型取りを行います。
その型を利用して、まずは仮歯を作製いたします。
少なくとも2ヶ月程度は歯がない状況でしたので、仮歯を入れて「慣らし運転」を行います。噛み合わせの確認はもちろんのこと、頬や舌を噛んだりしないか、喋りづらくないかなどを仮歯で確認いたします。
その後、患者様が指定するセラミックなどの素材を使って人工歯の作製に入ります。現在は仮歯をお預かりして、仮歯のデジタルスキャンを行うことで、仮歯と寸分変わらない大きさの人工歯ができあがりますので、その日からすぐに違和感なく使用していただくことができます。
Step08 装着~完了後のメインテナンス
インプラント体を骨に固定する場合、ネジ式で骨との接触面積を増やす方法や、セメントで固める方法などがあります。歯周病に似た症状を持つインプラント周囲炎に対してはネジ式の方が有効とされていますが、その一方でネジはゆるみを生じることもあります。このゆるみの確認に加えて、周囲の清掃等のメインテナンスを行なっていきます。
インプラントを健全に使用するために、定期的なメインテナンスをご利用ください。
インプラント治療後もメインテナンスにお越しください
インプラントは天然歯とほとんど変わりなく噛むことができますが、メインテナンスが十分でないと、インプラント周囲炎という歯周病のような状態になります。そのため、日々のセルフケアを丁寧に行うことや、定期的に当院でメインテナンスを受けることが欠かせません。定期メインテナンスの期間は、1~6ヶ月に1回程度です。
費用について
臼歯 | ¥385,000~¥495,000 |
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前歯 | ¥462,000~¥572,000 |
10年のインプラント治療ガイドデント保証
当院のインプラント治療は治療後3年間の保証をしています。
また、4年目から10年目までについては、外部の保証機関(ガイドデント)と提携しており、少ない費用で10年の保証を受けていただくことが可能になっております。ガイドデントは、きちんとしたインプラント治療を行うために必要な一定の基準を満たしたクリニックのみと提携している、外部の保証期間となります。詳しくはこちらをご覧ください。
※治療後1年に2回以上継続して当院にてメインテナンスを行っていただける方に限ります。